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2011年5月26日木曜日

生誕98周年と『フランケンシュタインの怒り』(1964)

 祝・ピーター・カッシング生誕98周年!

…今日はカッシング丈のお誕生日ですね。1913年5月26日生まれ…ということは、あと二年で百周年になるんですね。なんか今さらですが、「そんなに昔の人なんだ…」と感慨が。DVDで作品を見ているとまったく時間のズレを感じないので、不思議な感じがします。

思えば、個人的にカッシングに萌え返したきっかけは、二年前の5月末に地球侵略戦争2150のDVDを購入したことでした。なので、なんとなく自分の中では、5月の末頃というのはカッシング丈と縁がある季節(?)になっています。

その上今年は、まるでお誕生日に合わせるかのように、前日の25日にフランケンシュタインの怒り吸血鬼ドラキュラの花嫁がリリースされました。(予約していたのですが、発売前日の24日に到着しました♪)


で、まずは『フランケンシュタインの怒り』を拝見しました。本邦初ソフト化という、ハマープロのフランケンシリーズ三作目。『フランケンシュタインの復讐』と『フランケンシュタイン・死美人の復讐』の間になるんですね。

しかし…ストーリーは、男爵が自分の城のあるカールシュタットに戻り、以前に作ったクリーチャーが氷づけになっているのを発見するというもので、『フランケンシュタインの逆襲』(フランケンシリーズ一作目)とは違う過去が作られており、話がつながってはいませんでした。男爵の助手は『復讐』と同じハンスという人なんですが、キャラが違い、男爵と一緒に行動している理由も「自分でもわからない」なんて言ってます。(笑)『復讐』のハンスには、ちゃんと彼なりの動機がありましたもんね。

クリーチャーのデザインの著作権問題が解決して、ボリス・カーロフ版に近いデザインが使えるようになった…という事情はハマーのドキュメンタリーなんかで見ていたので、そのためにあえて別物にしているのかも…と思いました。だからこれは、ハマーのフランケンではありますが「パラレルワールドの男爵」みたいな感じです。

それはまあ、いいのですが…映画自体がうーん…。(^ ^;)これまで日本でソフト化されていなかったのも納得です。あれだけカッシング丈が出ているにも関わらず、途中で眠くなってしまいました。自分の寝不足のせいばかりではないと思います。なんというか、お芝居の見せ場がないというか、話にメリハリがないというか。さっきのハンスをはじめとして、キャラの行動の動機があいまいで、シーンによってちぐはぐな感じもあります。たしかハマーのドキュメンタりーで、監督のフレディ・フランシスがこの作品について、「撮影を終えたあと休暇で留守にして、帰ってきたらもう編集されていた」とか話していたような気がするんですが…そのへんの事情もあるのかも?

ただ、このDVDには特典として「テレビ放映版のみにあるシーン」がついています。これがなかなか興味深いです。というのは、作中に出てくる聾唖の女性が、少女時代にクリーチャーに出会っていたという過去が描かれているんです。クリーチャーと一般人との交流というシークエンスは、違う形ですがメアリー・シェリーの原作にあるので、そこからインスパイアされたアイデアなのかな、という感じもします。(そういえばミツバチのささやきという、フランケンシュタインのクリーチャーと少女をモチーフにした映画がありましたよね。うろ覚えですが…。少女とクリーチャーって想像力を刺激する組み合わせなのかも?)

この部分は、本編のショッキングな場面をテレビ用に削除して、その尺を埋め合わせるため、あとからアメリカで別のキャスト・監督で撮ったということなんですが、これがあったほうがストーリーとしてはまとまりがいいし、女性キャラの存在理由もわかるので、本来の脚本はこういう話だったのでは?とさえ思います。(ホントにただの後付けだとしたら、このアイデア出した人すごい!ていうか、もともとの脚本がこういうアイデアなしだったとしたら、すごく残念賞です!)

でも、やっと『死美人の復讐』での男爵の手が不自由らしかったこと、黒手袋を外さなかったことの理由がわかりました。個人的にはこれで、カッシングのフランケンシュタイン男爵はすべて制覇したことにもなります。感慨無量です。

2011年5月14日土曜日

予約受付始まってました。(『フランケンシュタインの怒り』『吸血鬼ドラキュラの花嫁』)

カッシング作品のDVD、『フランケンシュタインの怒り』『吸血鬼ドラキュラの花嫁』の予約受付が11日から始まっていたみたいです。私事でごたごたしていてチェックが遅れましたが、さっそく予約してきました♪受付はこちらです。

→allcinemaSELLECTION
(※引っ越し時点では販売終了しています)

やっぱり同時リリース…到着を待つ楽しみがいっぺんに終わってしまうのがもったいないです。(笑)英語字幕もやはりないみたいですね…ちょっぴり残念ですが、自分には未見のカッシング作品ですし、フランケンのほうは日本初ソフト化だそうですね。楽しみです♪

2011年5月8日日曜日

『若妻・恐怖の体験学習』(1972)

 

若妻・恐怖の体験学習≪初DVD化≫【ユニバーサル・セレクション1500円キャンペーン/2009年第5弾:初回生産限定】久しぶりに品揃えのいいレンタル屋さんに行って発見しました。しかしなんて邦題だ。原題は"Fear in the  Night"なのに…。(笑)

これは、カッシングの旧作を漁りまくっていたときには(当然ながら)近所のレンタル店になく、セル商品は見かけたんですけど、あんまりなタイトルなので(笑)レジに持っていく気になれなかったものです。カッシングの出番は10分程度とも聞いてましたし。出演シーンはYoutubeとかでちらちら見てましたが、全体がこういう話だとは知りませんでした。

お話は…ノイローゼで入院経験のある女性が、全寮制男子学校の教師と結婚し、学校の敷地内の家に引っ越してくるのですが、引っ越す前から「片手が義手の謎の男」に背後から首を絞められる体験をしています。それがここでも起き、周りに訴えても病歴のため妄想だと本気にしてもらえず、さらに襲撃がかさなって精神的に追いつめられ…さて真実は一体?というもの。タイトルから想像するほどひどい映画ではありませんでした。(笑)若妻は内向的なゴールディー・ホーン(?)という感じのすごくかわいい女優さんですが、首を絞められるだけでサービスシーンに当たるようなものはまったくありません。逆にタイトルから期待して借りた人は怒るんじゃないでしょうか。(笑)

カッシングは学校の校長役でした。マイケル・カーマイケルというへんな名前。(笑)でもチョビ髭がDr.Whoのときをホーフツとさせる、礼儀正しい老紳士風でステキでした。メガネに黒のケープ姿が似合っていて、まるで絵に描いたような…というか、実際映画の中にその姿の肖像画が出てくるのですが、すごくそっくりでした。思わずほしくなりました…。(これも私見でのルックス最盛期・1972年作品なんですよね…クラクラきます(笑))

なかなか不気味なキャラでもあり、じつは切ない設定もあり(ネタバレは避けますが、大食堂で食事するシーンとか、授業のシーンとか、一瞬ですがキュンときました)、最終的には重要な役でした。が、いかんせん出番が少ない!終盤もっと姿を見せてくれてもいい気がしますが…なにか撮影できない事情があったのかな、と思わせる撮り方です。あえて姿を見せないことの効果もたしかにありますが…(それにあんまり出ると「若妻」の存在感を食ってしまいますし(笑))

主人公の優しい旦那役がラルフ・ベイツという俳優さんなんですが、地味にハンサムでステキでした。どこかで見た顔だと思ったら、同じハマープロ作品の『ジキル博士とハイド嬢』でジキルをやってた方みたいです。これはまだ見てないんですが、ハマーのドキュメンタリーで断片だけ見ました。ジキルとハイドのバリエーションで、ハイドになるとき性転換してしまうというぶっ飛んだ映画です。これも今回行ったレンタル屋さんにはあったので、今度借りてみようかな、と思います。

(ハイド役の女優さんとは一見顔は似てないんですけど、顔のパーツの位置とかが一致しているらしく、画像がオーバーラップするシーンが違和感なかったです。それにやっぱりハンサムだし♪性転換じゃなくて性格だけが変わって、裕福な同性愛者の老人を籠絡しまくるなんてバージョンがあったら、購入して永久保存版にするんだけどなあ…(笑))

脚本・監督・プロデュースは、ハマープロのプロデューサーのジミー・サングスター。タイトルで覚悟しすぎたせいか、ちゃんとオチがある脚本で逆にびっくりしました。もう一人脚本担当としてクレジットされていたので、アイデアを口述する程度だったのかもと想像しますが?(スミマセン。プロデューサーという肩書きに偏見があるらしく…(^ ^;))

ハマー映画を見ると、わりとこういうことが多いです。ふつうの意味で傑作映画とは言いがたいけど、題材などから、見る前にある程度のレベルの低さを覚悟させるところがあって(笑)、見てみるとそのレベルはたいてい上回るので、「意外にちゃんとしてるじゃん!」と妙な好評価をしてしまう…まあ今の自分なら、カッシングさえ見られれば最初から五十点くらいは入っちゃいますけど…。(笑)