久しぶりに品揃えのいいレンタル屋さんに行って発見しました。しかしなんて邦題だ。原題は"Fear in the Night"なのに…。(笑)
これは、カッシングの旧作を漁りまくっていたときには(当然ながら)近所のレンタル店になく、セル商品は見かけたんですけど、あんまりなタイトルなので(笑)レジに持っていく気になれなかったものです。カッシングの出番は10分程度とも聞いてましたし。出演シーンはYoutubeとかでちらちら見てましたが、全体がこういう話だとは知りませんでした。
お話は…ノイローゼで入院経験のある女性が、全寮制男子学校の教師と結婚し、学校の敷地内の家に引っ越してくるのですが、引っ越す前から「片手が義手の謎の男」に背後から首を絞められる体験をしています。それがここでも起き、周りに訴えても病歴のため妄想だと本気にしてもらえず、さらに襲撃がかさなって精神的に追いつめられ…さて真実は一体?というもの。タイトルから想像するほどひどい映画ではありませんでした。(笑)若妻は内向的なゴールディー・ホーン(?)という感じのすごくかわいい女優さんですが、首を絞められるだけでサービスシーンに当たるようなものはまったくありません。逆にタイトルから期待して借りた人は怒るんじゃないでしょうか。(笑)
カッシングは学校の校長役でした。マイケル・カーマイケルというへんな名前。(笑)でもチョビ髭がDr.Whoのときをホーフツとさせる、礼儀正しい老紳士風でステキでした。メガネに黒のケープ姿が似合っていて、まるで絵に描いたような…というか、実際映画の中にその姿の肖像画が出てくるのですが、すごくそっくりでした。思わずほしくなりました…。(これも私見でのルックス最盛期・1972年作品なんですよね…クラクラきます(笑))
なかなか不気味なキャラでもあり、じつは切ない設定もあり(ネタバレは避けますが、大食堂で食事するシーンとか、授業のシーンとか、一瞬ですがキュンときました)、最終的には重要な役でした。が、いかんせん出番が少ない!終盤もっと姿を見せてくれてもいい気がしますが…なにか撮影できない事情があったのかな、と思わせる撮り方です。あえて姿を見せないことの効果もたしかにありますが…(それにあんまり出ると「若妻」の存在感を食ってしまいますし(笑))
主人公の優しい旦那役がラルフ・ベイツという俳優さんなんですが、地味にハンサムでステキでした。どこかで見た顔だと思ったら、同じハマープロ作品の『ジキル博士とハイド嬢』でジキルをやってた方みたいです。これはまだ見てないんですが、ハマーのドキュメンタリーで断片だけ見ました。ジキルとハイドのバリエーションで、ハイドになるとき性転換してしまうというぶっ飛んだ映画です。これも今回行ったレンタル屋さんにはあったので、今度借りてみようかな、と思います。
(ハイド役の女優さんとは一見顔は似てないんですけど、顔のパーツの位置とかが一致しているらしく、画像がオーバーラップするシーンが違和感なかったです。それにやっぱりハンサムだし♪性転換じゃなくて性格だけが変わって、裕福な同性愛者の老人を籠絡しまくるなんてバージョンがあったら、購入して永久保存版にするんだけどなあ…(笑))
脚本・監督・プロデュースは、ハマープロのプロデューサーのジミー・サングスター。タイトルで覚悟しすぎたせいか、ちゃんとオチがある脚本で逆にびっくりしました。もう一人脚本担当としてクレジットされていたので、アイデアを口述する程度だったのかもと想像しますが?(スミマセン。プロデューサーという肩書きに偏見があるらしく…(^ ^;))
ハマー映画を見ると、わりとこういうことが多いです。ふつうの意味で傑作映画とは言いがたいけど、題材などから、見る前にある程度のレベルの低さを覚悟させるところがあって(笑)、見てみるとそのレベルはたいてい上回るので、「意外にちゃんとしてるじゃん!」と妙な好評価をしてしまう…まあ今の自分なら、カッシングさえ見られれば最初から五十点くらいは入っちゃいますけど…。(笑)