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2011年1月14日金曜日

『The Mummy』(1959)

 (以前ちらりと触れておりますが、DVDを初見したときの感想を掘り起こして載せます)

 ピーター・カッシングクリストファー・リー共演のThe Mummy、邦題は『ミイラの幽霊』ですが、国内盤が出てなくて字幕なしでのレビューなので、原題で書いておきます。
画面に集中したくて英語字幕も消して見たので、わかったのはだいたいのところですが…単純なお話なので助かりました(笑)。

19世紀末、イギリス人の考古学者がエジプトで王女のミイラを発掘。そのミイラを守るために隠し部屋に入れられていた別のミイラが蘇り、発掘者を襲うというものです。ただし、じつはそのミイラは王女を密かに愛していた神官、という悲恋設定が…あれ、「エジプトの高貴な女性と神官の禁断の恋」で「ミイラがよみがえって人を襲う」って…『ハムナプトラ』って似たよーな話じゃなかったっけ…?と思ったのですが、ハムナプトラはテレビで断片的に見ただけなのでよくわからないです。もしかしたら元ネタかも?

カッシングの出演作品ハンドブック(?)として少し前に購入した『Christopher Lee and Peter Cushing and Horror Cinema: A Filmography of Their 22 Collaborations 』をちらりと見てみたら、『The Mummy』自体が、1930年代にボリス・カーロフ主演で作られた映画のリメイクのようです。ハムナプトラとは「元ネタが同じ」なのかも。(違ってたらすみません)

キャストは、ミイラ発掘にかかわる考古学者役にピーター・カッシング。珍しく父親が出てくる役で、少しばかり若作り。ナカナカ素敵です。彼の父、叔父も考古学者らしく、冒頭そろってエジプトにいるのですが、カッシング演じるジョンは発掘時には足を怪我してテントで留守番していたため、現場に居合わせなかったという設定です。

そしてミイラと、回想シーンの神官がクリストファー・リー。ミイラのときは包帯ぐるぐる巻きで、動作と目だけの演技なんですが…目が語りますね。すごくよかったです♪なんか…ハンサムなんですよ、普段より。終盤の顔なんか、ライティングのせいか白塗りのときの市川染五郎似です(笑)。長い手足とプロポーションのよさも際立ってます。ちょっと惚れ直しました。

カッシングのリーとの格闘シーンは二回あって、両方ミイラに首を絞められてました。(笑)足の怪我の後遺症でびっこをひいている役で、いつものカッシングと身のこなしが違うのも見どころ。服装がスリムな体の線を引き立てていて、ヘルシング教授やフランケンシュタインみたいな強さはないキャラ。なにかと色っぽいです♪

お話は淡々と進む感じで、あまりインパクトを感じなかったのですが…たぶん『ハムナプトラ』を見ていなければ、ミイラの隠れた悲恋話に新味を感じたはずだと思います。悲恋設定がなければ、トホホ映画だった『半魚人の逆襲』と似たりよったりの展開…。でもこの設定の違いが決定的なのですけど!それと、エジプト人キャラに「イギリス人が外国の遺跡から持ち出したものを、大英博物館に飾ること」を批難させているのも、映画の胆力(?)を上げてました。
…まあそのへんとは無関係に、カッシングがすごく色っぽいのでお気に入りの一本になりました。えへへ♪(若い頃の姿でこうも萌えるのは、自分にとっては珍しいです(笑))

カッシングの奥さん役が、出番は少ないものの設定的に重要な役なのですが、とてもきれいな女優さんでした。初めて見た方です。柔和にしたエリザベス・テイラーという感じ。セットも、いつもながら雰囲気があってよかったです。(ハマー映画は低予算らしいものが多いのに、いつも美術がすばらしいですね!)ハマーのスタジオだったブレイスタジオにあるマナーハウス(イギリスの古風な邸宅)…ドキュメンタリーなどでさんざん見たのですが…その外観がもろに出てきたのが、なんか嬉しかったです。ほかの映画でも別の形でいろいろ使われています。

特典映像はオリジナル予告編とキャスト一覧のみでしたが、自分にはちょっと貴重な一本になりました。ああ、字幕ともっとマシな特典つきの国内盤出してほしいデス…。