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2010年11月20日土曜日

BBC版シャーロック・ホームズ『Study in Scarlet』(1968)

 

bbcholmes.jpg(日本ではDVDが発売されてないんですが、カッシングがホームズを演じたBBCテレビシリーズのうち、現存している5本がパックされた『The Sherlock Holmes Collection』より、『Study in Scarlet』(緋色の研究)の感想です)

このコレクションに入っているのは「生き残った」5本なんですが、調べたところ全部で16本制作されたとのこと。残りのフィルムは紛失してしまったんですかね…なんと惜しい。

ディスクの収録は放映順ではないのですが、いちおう放映の早い順に見てみることにしました。まずは『Study in Scarlet』(緋色の研究)。1エピソード48分のドラマです。字幕は英語もついてないんですが、ホームズはいちおう話はわかるのでなんとか。

まず…本編とは関係ないんですが、オープニングのカッシングがかっこいい!ディアストーカーをかぶった横向きのシルエットから始まって、照明がついてこちらを向き、キョロキョロ目を動かして(この動作が何となくホームズっぽい♪)観音開きの窓を開ける…というだけなんですが。きびきびしてていい感じです。今見るとちょっと古風な表現ですが、そこがまたいい。(…いや、書いてみると大したことないですね。もう今惚れまくってますから針小棒大に喜んでます。すいません(^ ^;)))

ストーリーはまあ、ホームズなので省きますが、冒頭から驚きのお年玉(?)が!エド・ビショップ!『謎の円盤UFO』ストレイカー司令官をやった、エド・ビショップが出てたんです!…そういえばUFOハマリ度の深かったとき、ビショップのフィルモグラフィーにホームズへのゲスト出演があるのを見て、見たいなあ、と思った覚えが。まさかカッシングのホームズだったとは!…役はスタンガソンなので、脇役もいいとこですが…いや、もうこれ自分にはお宝ディスクになりました!

で、肝心のホームズ。…このエピソードは原作でも最初のもので、ホームズとワトスンの出会いから描かれる作品なのですが、ドラマではすでに同居(笑)しています。朝食のテーブルからご登場です。ワトスンとの掛け合いのテンポがいいです♪このワトスン好きだ…♪(笑)演じているのはナイジェル・ストックという方です。

ホームズはしばらくおもしろい事件にかかわっていないらしく、「ロンドンはつまらない街になった」とおなじみのボヤキが。ワトスンが雑誌の記事につっこみを入れて、それに反駁したホームズが「その記事を書いたのは僕さ」という例のシーンが演じられますが、ホームズは倦怠の演技でスルーする感じ。ユーモラスです。「現在興味があること」以外はどうでもいい、という性分を強調している感じ。

ジェレミー・ブレットのホームズだったら…と、ちょっと想像してしまいました。こういうときちょっと皮肉に口の端を持ち上げて、嬉しそうな顔をしてくれそうな気がする…。横目でワトスンを見たりして。勝手なイメージですが(^ ^;)。(グラナダ版にこのやりとりってあったかな…?)
俳優さんの解釈と個性によって、同じキャラでも表現が変わるもんだなあ、と思いました。もちろん脚本によりますけれど。…それによってワトスンのリアクションも変わって、二人の関係もそれぞれに個性のあるものになるんですね♪

…全体に関していえば、やはりテレビというか、スタジオ収録と屋外ロケの部分で露骨に映像の肌理が違うんですね。この時代のテレビドラマはまあ、こういうものなんでしょうね。カッシングはわりと美術のいい映画でばっかり見てきたので、テレビドラマで見るとうごく紙芝居みたいな印象はあります。意識したことなかったけれど、ちがうものですね。

でもやはり、きびきびしたホームズ姿とリズムのいい台詞回しはたまりません♪他のも見るのが楽しみです♪