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最新記事とは別に、SSブログより古い記事からひとつずつ引っ越し中です。(日付は元記事のものです)

2010年11月2日火曜日

『フランケンシュタイン 死美人の復讐』(1967)

 

フランケンシュタイン 死美人の復讐 [DVD] ピーター・カッシングのフランケンシュタインシリーズ第四作目、原題は『Frankenstein Created Woman』
「フランケンシュタイン、女人を創造せり」みたいな感じでしょーか?その「女人」はプレイメイト出身で、ジャケット写真では『フィフス・エレメント』のミラ・ジョボビッチ並の露出度だし、男爵はなんか持ってる刃物にきらーんと光が描かれていて「必殺仕事人?」みたいな感じだし、あー、今度はお色気路線ですか…とまったく期待してなかったのですが…

ジャケットのコピーを読むと…
「生きて添い遂げられなかった男女が、フランケンシュタイン男爵の手で一体の人造人間に!」(笑)
…ちょっと待て、ということはこの美女の「中身」は男なのか!?
そーいうことなら話は別だっ!!(なにがだ(^^;))
ていうかいつのまにそんな人情家になっちゃったんだよ男爵ぅ!…とか思ったんですが…
いや、バカにしててごめんなさいッ!冗談抜きでこりゃ傑作でした!

今回は人体の切った貼った(?)がなくて、「魂」をべつの体に注入する…という話でした。おかげで切り株系のエグイ映像はなし。そしてそして、なにより男爵が美しい!(^^;)…もともとはモフ・ターキンから転びましたから、フランケンとか初期のヴァン・ヘルシングとかは「ちょっと若すぎるんだよなあ…」とか贅沢言ってたのですが…とうとう中年期のカッシングでも萌えられるようになりましたッ!(笑)

今回の男爵はどう登場するのかと思えば…なんと自ら氷づけになって蘇生実験の実験台に。登場はその蘇生シーンです。…う、美しい…美しすぎるぜ眠り姫!(我ながらバカじゃないかと思いますが、ほんとに見とれてしまいました。何度見直したことか!(笑))

今回は衣装も黒装束が多くて、すっごくイイです♪上着を脱いだ黒いベスト姿でシャツを腕まくり!いやー、なんだかすごく色っぽい!コレですよ、やっぱ男爵は!(けっこう腕毛がボーボーだったりはするんですが…胸毛はうすいのにねえ(笑))

なぜか両手にずっと(食事中まで)黒い手袋をしていて、指先に力のいることができなくなっているらしい(手術も自分でしないで、指示だけして助手の医師にやらせる)のですが、これの前作でなにかあったんでしょうね。(これの前の作品は来年DVD化予定の『フランケンシュタインの怒り』らしいです。楽しみっ♪)この黒手袋姿が、またイイです♪

なんかあらすじも書かないうちに重箱の隅(いや、私にはメインディッシュ(笑))でエンジン全開しちゃいましたが…うーん、じつはあまり設定を書きたくない作品です。
「フランケンもので、今度は女を作る話にしようや」…って企画が出たとき、こんなストーリー思いつくかなあ、普通?…ってくらい、一ひねりも二ひねりもしてあるんです。予備知識がなかったおかげで「おおっ!そうきましたか!」と楽しめたので、未見の方にはなるべくそのまま、作品を見ていただきたいです。

まあ差し障りのない程度にいきますと、まず、「フランケンシュタイン男爵が女を作る」ですぐにイメージされるような、創造主と被創造物の間の疑似恋愛…これはまったくなし!(拍手!)今回は冷淡すぎるくらいの扱いで、第一作目の継ぎ目だらけのモンスター(クリストファー・リー)に対する態度のほうが、よっぽど愛情たっぷりでした(笑)。

今回の「被創造物」には個人的に背負ったドラマがあるのですが、そういう悲劇に対する感情移入はまったくない。大事なのはあくまで自分の実験が成功した結果できた作品だから、みたいな感じなんです。おかげでクールビューティーな男爵が維持されました(笑)。

…ありがちなほうの、創造物に感情移入する役割はというと、助手の医師がそれを担います。ああ、うまくできてるな。この人が「人情」の部分を引き受けてるから、男爵は安心して(?)かっこいい男爵でいられるわけです。

…とはいえ、今回の男爵はやっぱりドラマ上はわき役です。でもそのメインのドラマもよくできていて、ホラーと悲恋ものとマッドサイエンティストものが、きちんとかみ合っているんです。なので、男爵が出ていないところもまったく退屈せずに見られました。お話が、とにかく丁寧にできていました。なんだか嬉しい!(まあ埋葬して半年経った首が腐ってないとか、いろいろツッコミどころはあるんですが!(笑))

音楽ももの悲しく、フランケンものでは異色作、という評判にもつくづくうなずけました。しかしジャケット写真ははっきり言って詐欺です!(笑)というか、写真から想像するようなしょーもない映画ではなかったので、得した感があるというべきか。でも、写真のような露出度で女優さんが出てくるシーンはまったくないので、そのへんの期待で見た人には肩すかしでしょう。半裸の美女と男爵、というおいしい構図は本編にはこれっぽっちもありません!(笑)それにこの写真にある「お姫様だっこ」している男爵、カッシングの細腕ではなんかあぶなっかしいです!(笑)

特典には予告編のほかに、『ワールド・オブ・ハマー』というハマー映画のミニ解説番組みたいなのの、フランケンシュタインの巻(?)がついてます。ナレーションはオリバー・リード。これはたぶんテレビのシリーズものかなにかで、まえにYoutubeで同じシリーズのものを見たことがあります。

写真ギャラリーも枚数が多くて、作品のスチール以外に撮影中のなごやかなスナップがほほえましいです。カッシングの「いかにもブロマイド」なポーズの写真も貴重。ヒロインを演じたスーザン・デンバーグ(けっこう変化のある役なのですが、モデルさんの余技とは思えないうまさでした。もともと女優の勉強してた方なのか、それとも監督の指導がうまかったのか?)の写真では、もろに「今月のプレイメイト」な(笑)、作品とはまったく関係なさそうなのも入っているので、本編で落胆した方への救済策かな?なんて思いました。いや、マジでお見事なプロポーションでした。
(でも色気ではカッシングに軍配♪)

あ、書き損ねてましたが、ヒロインの父親役の人が、遠目にはデビッド・バーク(グラナダ版ホームズのワトスン!)似のなかなか素敵な俳優さんでした。出番が少なくて残念!(^^;)